こんにちは、youheiです。
2017年2月17日(金)に日本テレビ系の金曜ロードSHOWで「さらば あぶない刑事」(2016年)が放送されました。
舘ひろしと柴田恭兵にとって最大のヒット作だった「あぶない刑事」シリーズも見納め!
早くも地上波で放送されるとは、日テレグッジョブ!
てっきりこれで「あぶない刑事」も見納めだと思っていました。
なんと新作映画が製作されることが決定したと言うじゃないですか。
2022年9月上旬よりクランクインするとのこと。
「あぶない刑事」に関して別の視点から見て記事にしました。
あぶない刑事とは?
1986年から1989年まで日本テレビ系で放送された刑事ドラマ。
舘ひろし・柴田恭兵のダブル主演に加えて仲村トオル・浅野温子・木の実ナナ・中条静夫らが脇を固めました。
これまでの刑事ものに見られなかった軽妙なセリフや演技、ブランド物を着こなすスタイリッシュな刑事たちが大きな話題になりました。
主役の舘ひろしと柴田恭兵が選ばれた理由として、セントラルアーツの黒澤満代表が舘ひろしと柴田恭兵を共演させたらどうか、という提案から決定しました。
柴田恭兵については、過去に「大追跡」(1978年)で村川透監督の推薦によって出演が決定した経緯もあります。
その点も含んでいたのではないかと思います。
松田優作に続く俳優の起用を考えての人選だったように思えます。
あぶない刑事と松田優作との接点
ここでは私見ながら、あぶない刑事に関わった俳優・スタッフ陣の顔ぶれを見てある共通する人物が多数顔をそろえていることに気づきました。
その人物は松田優作です。
共演の状況をまとめると次のようになります。
舘ひろし…「暴力教室」(1976年)と「薔薇の標的」(1980年)
柴田恭兵…「大都会PARTⅡ」(1977〜8年)「大追跡」(1978年)と「最も危険な遊戯」(1978年)
(※余談だが、「最も危険な遊戯」(1978年)に内田裕也がノークレジットながら出演していた)
山西道広…「俺たちの勲章」(1975年)「探偵物語」(1979〜80年)、「遊戯」シリーズ(1978〜9年)はじめ多数。
監督の村川透と撮影の仙元誠三…ドラマ・映画で多数の作品を手がける。
企画の岡田晋吉(日本テレビ)…太陽にほえろ!で松田優作を発掘した功労者。
企画の黒澤満(セントラルアーツ)…「遊戯」シリーズをはじめ数々の映画を製作。
脚本の柏原寛司、丸山昇一…柏原氏は数多くのアクション・ドラマの脚本を手がけ、作品は映画よりドラマの方が多い。
丸山氏は「探偵物語」で脚本家デビュー。
助監督の原隆仁…(舘ひろしにとっては、「薔薇の標的」「西部警察」でも関わった。)
松田優作があぶない刑事に出演する機会がなかったものの、入院中に「あぶない刑事」の再放送をみながら「もう俺には出来ないな。今は恭兵が一番だな。」と話していたとの証言がありました。
(※日本テレビ発行「甦れ!探偵物語 松田優作にもう一度会いたい」から)
一度でいいから舘ひろし&柴田恭兵との共演が観たかったファンも多いでしょう。
あぶない刑事の原点は?
これもあくまで私見なんですが…
若手刑事がコンビを組むドラマの原点は、1975年に放送された「俺たちの勲章」ではないかと考えます。
「俺たちの勲章」の後に横浜を舞台にしたアクションドラマは「大追跡」(1978年)「プロハンター」(1981年)へと引き継がれました。その後に「あぶない刑事」に至ります。
あぶない刑事製作のきっかけになったのはアメリカの刑事ドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」(1984〜9年)であることが判明しています。
女好きでキザな若い刑事二人が捜査に乗り出すというのはたしかに共通しています。
あぶない刑事にまつわるトリビア
あぶない刑事シリーズの中で、個人的に気になった部分をピックアップしてみました。
映画「あぶない刑事」(1987年)に出演した室田日出男の役名が鳴海総太郎…
鳴海=「最も危険な遊戯」(1978年)で松田優作が演じた鳴海昌平から?
総太郎=「西部警察」(1979年)で舘ひろしが演じた巽総太郎から?
映画「またまたあぶない刑事」(1988年)に赤井英和が浪速のロッキーという芸名で出演。(セリフはなし)
小林稔侍演じる深町新三って、「大都会 闘いの日々/PARTⅡ」(1976〜7年)で佐藤慶が演じた深町課長が由来?
さしずめ「城西署の深町軍団」ならぬ「港署の深町軍団」といったところか…
タカとユージが着ていたスーツのブランドは?
衣装協力にGARNIER、MEN’S TENORAS、鈴屋、タカキューの名がありました。(あぶない刑事)
LIGHT STAFF、NEW MGC、ACE(もっとあぶない刑事)
ほか、TVスペシャル版と映画版については情報を得ることが出来ませんでした…。
気になる新作映画については?
「さらばあぶない刑事」が「ただいまあぶない刑事」になったとでもいうか…
ニュージーランドで探偵業を営むタカ&ユージがある事件の捜査のために日本へ呼び戻されるという内容。
個人的にはうれしいニュースではありますが、前作の「さらばあぶない刑事」で終わらせたほうが収まりが良かったのでは…と複雑な思いがありますけど。
映画が完成した暁には「おかえりあぶない刑事」と言って出迎えたいものですね。
(そもそも退職しているから、もう刑事じゃないと思うけど…)
まとめ
あぶない刑事は松田優作テイスト最後のドラマでもあると言えます。(妙な表現ですが)
近藤課長を演じていた中条静夫の後釜として小林稔侍が起用されたけど、やはり中条静夫ほどのインパクトさに欠けていました。
敵役として歌手の吉川晃司が起用されていたけど、個人的には松田優作が生きていたらぜひ出て欲しかったという思いがします。
それは同じ気持ちが映画「いつかギラギラする日」(1992年)でも感じたのです。
監督の深作欣二、脚本の丸山昇一。
出演の石橋蓮司・安岡力也・原田芳雄とまさに松田優作とは濃い仲間たちである。
それより萩原健一と松田優作の共演のほうがはるかにインパクトがあったはず。
それこそアル・パチーノとロバート・デ・ニーロの共演に匹敵するくらいに。
生前の松田優作自身も深作欣二と初仕事だった「華の乱」(1988年)のあと「もう一回サクさん(深作)と仕事がしたい」と意欲を見せていただけに残念でならないです。
もし生きていたらキャスティングされていた可能性も否定できませんが…。